http://danceofdeath.go-th.net/books/book_4GRAPHIC METAL
メタルはメタルでも今回はヘヴィメタルじゃありません。金属を材料として彫刻作品を製作をしているアーティストをフィーチャーした作品集です。金属は耐久性があるのため、大型の作品を作る人であればあるほど、その作品はパブリックアートとして地域の中に存在していることが多いのですが、本書ではそんなパブリックアートではなく、かといってアクセサリーのような小型の作品でもない、「彫刻作品」として製作された作品を多めに紹介しています。
で、これもまた仙台市民図書館で借りたのですが、ちょっと金属の大きな作品ってどんなのだろう?と純粋に興味本位で手に取っただけなのに、収録されている作品はこんなのでした。
選書におけるスチームパンク偏差値が高過ぎる!
こちらはCoppers早川さんという親子のユニットだそうですが、どうですこの作品!真鍮!銅!リベット!パイプ!もう最高オブ最高です。巻末の経歴を拝見したところ、2004年に東京都現代美術館で開催された「球体関節人形展」にて押井守監督からの依頼作品を展示されたとのこと。
もう、これなんてスチームパンク以外の何物でもないですよ。スリットからちらっと見えるパイプと歯車。これが本当にチラリズムですよ。
こちらは別のアーティストの作品ですが、異なる形状のパーツが組み合わさっているのに、作品全体を見れば全てが調和しているという、良い意味でも「ゴチャゴチャ感」「ジャンク感」がもうたまりません!
敢えて赤錆を浮かせた仕上げも味があってよいですね。作品によっては、長い年月を重ねた風合いを感じるものもあれば、手垢のついた温かみを感じるものもあり、さらに崩れゆく退廃美を感じるものもあり…
こちらはスチームパンク的ではありませんが、ゴシック的な美しさのある作品です。
…とまあどの作品も非常に見ごたえがあり、金属加工についての技術的な知識がなくても、ただ眺めているだけでも楽しめる作品集でした。
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