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DANCE OF DEATH

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レジン・透明樹脂で作るアクセサリー


本書はそのタイトルどおり、二液混合性のエポキシ樹脂を材料としたアクセサリー作りのHow to本です。エポキシ樹脂のメーカーは明記されていませんが、写真を見れば一目でわかります。これです↓

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感想(9件)



Amazonより楽天の方が安く買えるので楽天のショップを貼りました。現在定着したUVレジンと比べたらグラムあたりの単価が安いんですが、化学変化によって硬化するので時間がかかるのが難点。でも安いのは魅力的ですよね。

自分の作品をいくらか作った後、敢えてこうして自分の作風とは全くことなる作品の製作How to本を見るようにしています。というのも、自分の作品製作ばかりをしていたら、作風にも製作手法にも幅が出ないからです。「これは自分には絶対に無理逆立ちしても思いつかない!」という作風の作品こそ、意識して鑑賞するようにしないといけないなあ…と特に歳を取るごとに思うようになりました。本書に掲載されている作品もまさにそれ。


このキラキラ感とシャレオツ感、絶対私には無理です。まずこの材料を揃えるところから無理。それをこの組み合わせでセッティングするのはもう技術ではなくセンスの問題です。
 
ちょっと良いな!と思ったのは…


Instagramの出現以降ポピュラーになった正方形の写真をOHPシートに印刷し、それを封入した作品。これは自分が撮影した写真を使うことができるし、それこそInstagramに投稿した写真を再利用できるので良いアイデアだと思いました。例えば旅先で撮影した写真なんかを使うと思い出を他者と物理的に共有できるようにもなるわけです。


プチペンダントのヘッドにするのも良いですね。


あと斬新だと思ったのは、敢えて封入するパーツの一部をはみ出させるという表現。これは極小のボタンとハサミのパーツを使用した見ての通り裁縫がモチーフの作品なんですが、ボタンに通された赤い糸の先が樹脂から出ているんですよね。


普通、封入パーツははみ出さないように枠に全部収めようとするものですが、それをはみ出させるってなかなか思いつかないですよ。これはキーリングの作品で、おそらく使っているうちに糸も摩耗していくでしょうが、そうした経年劣化も含めた「作品」なのでしょう。


もう一つ良いな!と思ったのはこれ。複雑なロボットのモールドの全体に封入パーツを入れ、樹脂にも敢えてチープな色を付け、グミのようなPOPな仕上げにしている作品です。


複雑なモールドから透けて見えるロボットとは関連性のない封入パーツ。この作品では敢えてロボットとの関連性のないアクセサリーに使用されるビーズを封入していますが、ビスや歯車を封入してスチームパンク的な作品にしても面白いでしょうね。


なお、手軽な手法や身近にある物を上手く作品製作に利用する方法を解説するのがこのテのHow to本の定番ですが、本書もまさにそうでした。樹脂は完全硬化後も過熱で若干柔らかくなる性質があるのですが、それを利用して硬化後にドライヤーを当ててビミョーに手で曲げてカーブを作る方法は、手軽でありながらも樹脂を熟知していなければ思いつかないことです。


あと完全硬化した後の樹脂を鏡面仕上げにするため、研磨剤(コンパウンド)で磨くというのは、車の塗装など工業系の仕事をしているか、シルバーアクセサリーを作ったことのある人でなければ思いつかない方法でしょう。


なお、著者は樹脂の透明感や鏡面仕上げにこだわりのある人らしく、硬化後にピンバイスで明けた穴が曇ることにすら妥協せず、どこをどの角度から見ても曇りがない状態にする方法を惜しげもなく披露していました。
 
前述のとおり、本書は二液混合性のエポキシ樹脂を扱ったアクセサリーのHow to本なので、UVレジンの扱い方とは異なる点も多く、むしろ普段UVレジンを使用している人にとって新鮮かつ参考になる本ではないかと思います。実は私も特殊造型やフィギュア製作でエポキシ樹脂を使うのですが、繊細で身に着けるものであるアクセサリーで使用する場合はまた勝手が違うので非常に勉強になりました。

レジン・透明樹脂で作るアクセサリー 透明感あふれるきらめきのデザイン [ 熊崎堅一 ]

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感想(17件)

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夢のアロマ VENEZIA

私は「死ぬまでに絶対に行かなければならない」と思っている場所があります。それはカーニバルのシーズン(2月)のイタリア・ヴェネツィアです。でも比較的安いと言われているHISのパックツアーを見たら安いプランでも40万円しました。そう、現在のヴェネツィアの主な収入源は観光収入。中でも一大イベントである”仮面祭”カーニバルは稼ぎ時なのでホテルから何からなにまで特別価格になってしまうのです。


本書はそんな”お高い”ヴェネツィアのカーニバル”の風景を切り取った写真集です。表紙に大きく仮面があしらわれていますが、仮面を着用しているカーニバル参加者”だけ”を被写体にした内容ではありません。カーニバル参加者を含めたヴェネツィアという街の風景を切り取った内容となっています。

それにしても素晴らしいのは色彩感覚。まあ絶対後から加工しているとは思うのですが…


赤い壁と、赤と黒のドレスを着た参加者の組み合わせ。よくぞ都合良くこの壁に合うコーディネイトの参加者がいたものです。それか場所を指定してここでポーズを決めてもらったとか?あと壁も、綺麗にペンキが塗られた壁ではなく傷んでいるのがむしろ良いですね。


あとこれも奇跡のような組み合わせです。夕暮れから夜になるほんのひと時の空の色とライトの色、それにピッタリな青いドレスと金の仮面の参加者ペア。もう完璧過ぎる。


カーニバルの参加者はペア~複数人でコーディネイトやモチーフを合わせて「チーム」として楽しむ人が多いようですが、敢えてたった一人で佇んでいる参加者をフィーチャーした写真も赴きがあってよいものです。これは地位や権力を持つ男性を表す「バウタ」という仮面を着用した参加者。ポーズを決めるでもなく、ただそこに座っているだけというのがいいですね。この景色に調和しているように思えます。


こんな肌が見える箇所がひとつもないコーディネイトが個人的に好きです。実際、中世の頃のカーニバルは社会的地位や職業、身分、年齢、性別すらも飛び越えて乱痴気騒ぎするために仮面を着用していたそうなので、年齢不詳・性別不明な仮装はオリジナルのカーニバルの精神を受け継いでいるといえます。


これも完璧!おそらく一切加工していない、太陽光の元で撮影した写真ですが、男女共にピンクをあしらった衣装を着ているペア参加者の後ろに、ピンクのペイントをしたアーチが見えるという。
なお、本書はカーニバルの参加者が一切写っていない、日常のヴェネツィアの風景も多数収録しています。それがまたいいんですよ。




もはや色彩の洪水。
これを見て思うのは、ヴェネツィアのカーニバルは「ヴェネツィア」という街でやるからこそ意味のあるイベントだということです。例えば、この街並みが美しいからといってそっくり同じものをテーマパーク的に作り、そこで仮面や衣装を着てカーニバルをやったとしても、結局それは偽物で、おそらくヴェネツィアのカーニバルのような雰囲気は出ないでしょう。たとえ参加者がヴェネツィア市民でなくても、イタリア国民でなくても、この時期にヴェネツィアに来て、この街の空気の中で仮装するからこそカーニバルになる。街あっての行事であることが心底理解できます。
 



こんな世界観は日本では絶対に出せない。

夢のアロマVENEZIA

GRAPHIC METAL


メタルはメタルでも今回はヘヴィメタルじゃありません。金属を材料として彫刻作品を製作をしているアーティストをフィーチャーした作品集です。金属は耐久性があるのため、大型の作品を作る人であればあるほど、その作品はパブリックアートとして地域の中に存在していることが多いのですが、本書ではそんなパブリックアートではなく、かといってアクセサリーのような小型の作品でもない、「彫刻作品」として製作された作品を多めに紹介しています。
 
で、これもまた仙台市民図書館で借りたのですが、ちょっと金属の大きな作品ってどんなのだろう?と純粋に興味本位で手に取っただけなのに、収録されている作品はこんなのでした。選書におけるスチームパンク偏差値が高過ぎる!




こちらはCoppers早川さんという親子のユニットだそうですが、どうですこの作品!真鍮!銅!リベット!パイプ!もう最高オブ最高です。巻末の経歴を拝見したところ、2004年に東京都現代美術館で開催された「球体関節人形展」にて押井守監督からの依頼作品を展示されたとのこと。


もう、これなんてスチームパンク以外の何物でもないですよ。スリットからちらっと見えるパイプと歯車。これが本当にチラリズムですよ。

 
こちらは別のアーティストの作品ですが、異なる形状のパーツが組み合わさっているのに、作品全体を見れば全てが調和しているという、良い意味でも「ゴチャゴチャ感」「ジャンク感」がもうたまりません!

 


敢えて赤錆を浮かせた仕上げも味があってよいですね。作品によっては、長い年月を重ねた風合いを感じるものもあれば、手垢のついた温かみを感じるものもあり、さらに崩れゆく退廃美を感じるものもあり…

 
こちらはスチームパンク的ではありませんが、ゴシック的な美しさのある作品です。
 
…とまあどの作品も非常に見ごたえがあり、金属加工についての技術的な知識がなくても、ただ眺めているだけでも楽しめる作品集でした。


GRAPHIC METAL[メタル]

立体イラストレーションII 究極のハンドメイドクリエーション


またまた仙台市民図書館で借りた本です。タイトルに「立体イラストレーション」とありますが、要するにハンドメイドの立体造型作品およびその作者を紹介した本です。ちなみに「II」ということは「I」もあるのかな…と思ったらなぜかなく、これだけがピンポイントで選書されて収蔵されていました。なぜ?と不思議だったんですが、中を見て納得。


スチームパンク偏差値が異常に高い。
いや、もちろん本書はスチームパンクに特化した作品集ではないし、もちろんスチームパンクなモチーフや作風を選んでいないアーティストの作品も多数紹介されています。それでも、全体的にスチームパンクテイストの作品が多いのです。他にも作品写真があっただろうになぜこれを選んだ?というページが目立ち、私としては大変眼福でした。それにしてもただ「立体イラストレーション」という言葉からは普通スチームパンクを連想しないですよ。これは何気に隠れた良書と言えるでしょう。


もうこれなんてスチームパンク(もしくはクロックパンク)以外の何物でもないし。


これも電飾を仕込んでいる時点で言わずもがな。
「立体イラストレーション」と「立体造型」の違いは何か?それについては本書では触れられていません。しかし大雑把に立体造型は「それ自体を鑑賞するアート作品も含む」に対し、立体イラストレーションは「主に広告の撮影で使用されるもの」とされています。つまり、実際に展示販売するか、”撮影したもの”を使用するかという違いでしょうか。ということで、本書に収録されている作品はいずれも何かの広告や印刷物、Web媒体などに使用されたもの。それでこれだけ多くのスチームパンク的作品があるということは、スチームパンクというジャンルや作風が一般認知されつつあるのかもしれません。


個人的に嬉しかったのは、フィギュアや特殊造型の分野で活動するアーティストもフィーチャーされていたこと。あ!この人の作品ホビージャパン別冊「S.M.H.」で見た!と懐かしくなりましたね。
S.M.H.とは…かつてホビージャパンが本誌である模型雑誌「ホビージャパン」の別冊として刊行していた季刊アート系模型雑誌。竹谷隆之さんや故・韮澤靖さんをはじめとする多くのクリーチャー系&アート系模型アーティストをフィーチャーし、その認知度を高めた。現在はとっくに廃刊。


で、作品ごとに製作過程を紹介するHow Toコーナーもあるんですが、見るのとやるのとでは大違いです。スカルピー彫刻なんてぱっと見で上手くできるわけねえだろ!


この方の作品を知ったのもS.M.Hがきっかけでした。東京に住んでいた頃はワンフェスに行ったら毎回ブースに作品を見に行ってました。


で、作品のキモである型取りのHow Toを公開。FRPに大理石の粉末を混ぜることで、ほんわかしたすりガラスのような質感を表現するのだとか。




あと驚いたのは、特殊メイク・特殊造型アーティストの高柳祐介さんも紹介されていたこと。高柳さんの作品も立体イラストレーションに入るんですね。


こういう作品大好き。


最後に驚いたのはこれ。一見どんな素材で作られているのが分かりませんが、なんとこれ全部紙!つまりペーパークラフト!当然全てのパーツをカッターで手作業で切り出しているそうですが、歯車の切り出しなんて想像すらしたくありません。というか紙でこの質感と緻密な構造を表現するとは…。あとやっぱりこれもスチームパンク偏差値が高い。
 
もう仙台市民図書館にスチームパンカーな司書がいるのは確実ですね。

立体イラストレーション〈2〉究極のハンドメイドクリエーション

私のクレイワークス

またまた仙台市民図書館で借りた本です。


ほぼ全てのパーツを石粉粘土で彫刻して作る、ジオラマでもなければドールハウスでもない、しかしそのどちらの要素も兼ね備えている作品の製作過程を作品ごとに紹介したHow to本ですが、作例写真が多く作品集としても楽しめます。この写真を見てだいたいお分かりかもしれませんが、著者の得意なモチーフは「猫」。ただ日常のシーンを切り取るのではなく、そこに猫がいて、暮らしている風景を表現しています。




この絶妙なデフォルメ具合。部屋も猫もただリアルに作るのではなく、粘土ならではの質感を生かし、敢えて「手作り感」を出しているデフォルメ具合が良い感じです。作品全体から温もりを感じますね。


で、前半のカラーページで様々な作品を見せ、後半のモノクロページではその製作手法を公開。部屋のインテリア類はドールハウスのHow to本のように細かく各パーツの寸法まで書いてあります。


そして他のジャンルのハンドメイドHow to本と同様、身の回りにあるどこでも調達できそうなものを活用する方法も掲載されています。しかし蜘蛛の巣にデンタルフロスを解したものを使用するとはこれ意外。でも確かに解したら極細の繊維ですからね。しかも丈夫だし。


それにしても著者の作品で見事なのは猫のポーズの絶妙さです。これは日々猫に接してその姿をよく観察している人でなければ彫刻できません。敢えて「粘土」で彫刻し「絵具」で色を塗っていることが分かるデフォルメに止めながらも、その姿は実にリアルです。


あとフレームを粘土や木で製作したレリーフ状の作品も素敵です。絵でもない、でもジオラマやドールハウスなどの立体でもない、それらの良いとこ取りの作品形態と言えます。




なお、作品の主役である猫は彫刻の手順まで公開。これ、見るのとやるのは大違いで、これで自分でも作れる!と思ってやってみたらムチャクチャ難しくてとても同じようにはできないもんなんですよね。


個人的にこれは!と思った粘土の彫刻(?)技法は、化粧品のパッケージなど「ありもの」のモールドをそのままスタンプとして使用したこれ↑
何かをスタンプのように粘土に押し付けるという技法自体は私も専門学校時代に授業で教わったのですが、ありものをそのまま活用、しかもそれを装飾の目的でやるというのは本当に目から鱗でした。ハンドメイドは日常生活そのものが観察と発見の修行のようなもんなんだなあ…とつくづく実感しました。


私のクレイワークス―ここまで出来る粘土の手ほどき

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